こんにちは、歯科医師の渡辺です。
今回は、親知らずのことについてお話したいと思います。
若い女性の患者さんにこんな質問をされることがあります。
「親知らずを抜けば小顔になりますか!?」
親知らずとは第三大臼歯のことで、一番前の歯から数えて8番目の歯のことを言います。
7番目の歯まではほとんどの人が大体14歳までに生え揃いますが、
親知らずは大人になってから頭を出したり、一生埋まったままだったり、
生まれつき持っていない人もいたりして、患者さんそれぞれ違います。
一番奥に生えている親知らずを抜けば、小顔になりそう!
というお気持ちはすごくわかるのですが、
残念ながら親知らずを抜いただけでは、輪郭を作る部分の骨の形が大きく変わることは考えにくく、小顔効果はあまり期待できません…
もともと親知らずがまっすぐ生えていて、上下しっかり噛んでいる場合は、親知らずを抜くことで噛む力が減り、その分咬筋(頬にある噛むための筋肉)が痩せて顔が小さくなる、という可能性はゼロではないですが…他人から見て顔が小さくなったことがわかるほどの効果はやはり期待できません。
しかし、親知らずは磨きにくい位置にあり、下図のように虫歯になりやすかったり、周囲の歯茎が腫れやすいのは確かです。
たまにでも痛くなったり、腫れぼったく感じたりする方は、早めの抜歯をお勧めします。
3日くらい痛かったけどおさまっちゃった!という方が多くいらっしゃいますが、抜かないで放っておくと数ヶ月後ぶり返してその時はもっとひどくなって・・・ということがよくあるのです。
大事な用事がある日に急に腫れてしまっては、普段の小顔努力も台無しですからね!
当院では、抜く必要のない親知らずの抜歯は積極的におすすめしませんが、ご自身の親知らずが気になる方は是非一度受診されてみてください。