2014年に「オーラルフレイル」という言葉が日本で提唱されました。
「オーラル」は口腔 、「フレイル」は高齢者が健康と要介護の間の虚弱な状態に
なることを意味します。
オーラルフレイルは軽微な口のトラブルが起きている状態を指します。
口の中の状態がよくないと柔らかいものばかりを選ぶようになります。
すると低栄養や食べる力の衰えにつながり、心身の健康にも影響するなど、
負の連鎖を招く恐れがあります。
軽微なトラブルのうちに対処すれば健康な状態に戻すことができます。
・活舌が悪い ・歯が少ない ・かむ力が弱い ・口が乾く、口臭がある
・むせる、食べこぼす・・・・といった症状があればオーラルフレイルのおそれがあります。
例えば、5秒間で「た」を30回言えない、自分の歯が20本ない、
お茶や汁物でむせるといった人は注意が必要です。
予防するには・・・まずかかりつけの歯科で定期的なメンテナンスが大切です。
口の中の衰えが進むと「口腔機能低下症」と診断され、治療が必要になることもあります。
日常生活で工夫することもできます。
例えば日ごろからよくかむ習慣を意識する、普段の食事にかみ応えのあるものを加える、などです。
ガムをかむ習慣のある高齢者では、口腔機能だけでなく握力や身体機能も高く維持されるようです。
オーラルフレイルが顕著になってくるのは65歳以上ですが、その手前の世代でも
日ごろから口の健康リテラシーを持っていれば、将来の予防につながります。