睡眠時無呼吸検査を受けた方で、
「あなたのAHI(エーエイチアイ)は20なので、中等症の睡眠時無呼吸です。」
と言われたことはありませんか?
閉塞性睡眠時無呼吸の重症度の判定は、
睡眠時無呼吸検査(精密検査のPSG/簡易検査の OCST)の結果から得られる、
1時間のうち何回呼吸が止まったか(無呼吸)、呼吸が浅くなったか(低呼吸)
で判定します。
これらは「閉塞性呼吸イベント」と呼ばれることもあります。
つまり閉塞性呼吸イベントの総数を睡眠時間で割ったものがAHIとなります。
実はこのAHIは「REI(アールエーアイ)」や「RDI(アールディーアイ)」
と呼ばれることもあります。
この違いは何でしょうか?
精密検査のPSGでは、脳波を測定することによって
睡眠状態と覚醒状態を厳密に識別することができるので、
正確な睡眠時間を計測し、AHIを算出することが可能です。
一方、簡易検査のOCSTでは、脳波を測定していないため、
正確な睡眠時間を計測できません。
そこで、計測時間全体を睡眠時間とみなして、
閉塞性呼吸イベントの総数を補正後の総計測時間で割って
REIを算出します。
補正方法には,アーチファクト,アクチグラフ,呼吸パターン解析等により
覚醒状態であると判定された時間を、計測時間全体から減算したものを
睡眠時間とする方法があります。
従来, OCSTにおけるAHIをRDIと表記していましたが、
2015年に改定された米国睡眠学会(AASM)によるスコアリングマニュアルVer2.22で、
REIを用いて表記することが提唱されました。
つまり正確にはPSGの時はAHI、OCSTの場合はREIを使用することが推奨されています。
睡眠時無呼吸は早期発見し、治療を始めないと命に関わる病気です。
少しでも気になる方は当院の歯科医師にご相談ください。